級別漢字

正月に、東京下町の実家へ帰省。

特にやることもなく過ごしていたら、親が「親戚から昔もらったものだ」と、見つけてきたのがこのドリル。

ぺらぺらとみてみると、漢字の例文がなんか変です。

九分九厘、打撲傷が治る」
「何万円もの 羽毛布団」
「頭を殴られ 記憶を喪失する」

…ほうほう… ほう!?

……最初の例文は、どれだけの打撲を受けたのだろうか。
羽毛布団は、信用できる店で買ったのだろうか。
そして、最後のやつはたぶん犯罪だ。

そんなことが例文を読みながら頭をよぎり、なんだかページをめくるのが止まらなくなりました。

■引っかかる「例文」が満載

そんなことが気になると、ひっかかる例文がどんどん出てきます。

「某氏に 調査委員を委嘱する」

…調査委員が某氏でいいのだろうか。

「一般市民が 募金に応じる」

…一般市民は募金しちゃダメか…?

「伸縮自在の ゴムひもを使う」

…何かすごい物のようにも聞こえますが、ただのゴムひも。

「火薬ごはんの 味付けが濃い」

…東北出身の料理人なのでしょう。

「猫が 哀れっぽい声で鳴く」

…どんな鳴き声だろう。逆に興味がわきます。

■レッツ妄想ストーリー

中には、並びを見てなにか「物語」を感じる例文もある。

「猟犬を連れ山狩りをする」
「怪しい人物を目撃する」
「記憶が鮮やかに蘇る」
「人を刺して逃走した犯人」

犯人は本当に人を刺してしまったのか。それとも誰かのたくらみなのか… なにやら事件のにおいがします。


さらに、もうちょっと妄想を膨らませられる、こんな例文も発見。

「運転手が車掌を兼務する」
「少しずつ地盤が沈下する」
「普通列車が構内で脱線する」

… ある日、急に休みになった車掌の代わりに、若い運転手がワンマンで列車を走らせることになった。すると突如、各地で地盤沈下が起きはじめる。地盤沈下は「地下ゾンビ」出現の予兆だったのだ。

 ゾンビに追われながら列車を走らせる運転手。だがそれも駅構内で脱線し、これ以上電車を走らせることができない。運転手は車内で助けた一人の少女を逃がし、襲い来るゾンビと対面する…!

映画「新感染」2021正月に上映中!

※こんな映画ではありません。


■漢字ドリルで語られる英雄物語

中でも自分が注目したのが「皇帝シリーズ」です。ときおり、英雄や皇帝に関する例文が登場し、皇帝の足取りを伝えています(と妄想)。まず始めは…

「ローマ帝国の英雄の物語」

ここから物語スタート。そうか、ローマ皇帝なのか。

「身分を伏せて敵を欺く」

若いころは身分を隠し、各地を旅したのでしょう。

地方の悪人を持ち前の剣術でけちらし、時に頭を使って土地にはびこる腐敗もあばく…

トラブルを解決し、去り際に「あの人が未来の皇帝!?」と正体が明かされる。水戸黄門のような旅だったのです。(きっと)

そして

「金の冠を誇らしげにかぶる」
「朱色の盃に酒を満たす」

ついに即位をした皇帝。旅で見つけた仲間と酒を酌み交わし、新しい皇帝の誕生を祝ったのでしょう。

さて、時は過ぎ…

帝王が悠然と構える」
「余裕をもって敵に応酬する」

英雄は、皇帝というか帝王になって勢力拡大。

指を動かすだけで国の一つや二つが滅ぶ…それくらいの威厳を感じます。何せ帝王ですから。

しかし英雄が築いた大きすぎる力は、ついに悲劇をおこします。

「皇帝が悲惨な最期を遂げる」

こ…皇帝~~~~っ!!

(誰だか知らないけど)

英雄に、平穏な死はゆるされない。

きっと権力争いの末に命を失い、彼の死によって、逆に国がまとまった…そんな歴史の1ページを刻んだのではないでしょうか。(ここまですべて妄想)

…とまあ、漢字ドリルをひとしきり楽しんだわけですが、

暇だったんだね正月。

としか言いようがないですね。自分。